お金の管理だけでなく、「お金に対する不安」を強く感じるASD(自閉スペクトラム症)の人は少なくありません。
✅ 「突然の出費があると、不安になる」
✅ 「将来のお金のことを考えると、動けなくなる」
✅ 「お金を使うのが怖くて、必要なものまで買えない」
こうした感覚は、ASDの特性と深く結びついています。
実際に相談に来られるASDの方でも多いのは「お金はあるけど、見通しが立たなくて怖くて使えない」というものです。親からの遺産が数千万円あっても怖くて手を付けられずに、毎月カツカツで暮らしている方もいらっしゃいます。
今回は、ASDの人がお金の不安を感じやすい理由と、その対処法について解説します。
ASDの人がお金の不安を感じやすい3つの理由
① 予測できないお金の変動がストレスになる
ASDの人は、「予定通り」「決められた通り」に物事が進むことで安心感を持ちやすいです。
そのため、急な出費や収入の変動に対して、不安を強く感じることがあります。
例えば、
✅ 予定になかった医療費や修理代が発生すると、パニックになる
✅ 収入が不安定だと、「この先どうなるんだろう?」と不安が止まらない
✅ 「貯金があるのに、不安で使えない」
🔹 対策:「予測できる支出」を増やす
- 「生活費」と「予備費」を分けて管理する」(突発的な出費に対応できるようにする)
- 「固定費をなるべく一定にする」(家賃・サブスクなどはできるだけ変動しないものを選ぶ)
- 「突発的な支出のシミュレーション」をしておく(例えば、「急に家電が壊れたらどうする?」を考えておく)
「何が起こるかわからない」という不安を、「起こり得ることを事前に考えておく」に変えることで、精神的な負担を減らせます。
また突発的な出費用のお金、使途未定のお金を予め準備しておくことも安心のための材料になります。
② お金の「流れ」がつかみにくい
ASDの人は、「お金の出入りを全体的に把握する」ことが苦手なことがあります。
「いくら収入があって、何にどれだけ使って、どれくらい残るか」という全体像をつかめないと、不安につながりやすくなります。
例えば、
✅ 口座の残高はチェックするけど、「この先の支払い」とのバランスがわからない
✅ 毎月の支出は決まっているのに、「本当に大丈夫か?」と不安になる
といった具合です。
🔹 対策:「お金の流れを視覚化する」
- 「お金の出入りが一目でわかる表」を作る(ライフプランの作成)
- 「貯金や予算の進捗を確認するルーティンを作る」(毎週・毎月、決まった日にチェック)
「お金の流れが見えない=不安」という状態を、「視覚化して見えるようにする=安心」に変えることがポイントです。
③ お金を使うことそのものに「罪悪感」がある
ASDの人の中には、お金を使うこと自体にストレスを感じる人もいます。
特に「お金は大事にしないといけない」という強い考えがあると、必要なものまで買えなくなることも少なくありません。
例えば、
✅ 旅行や趣味にお金を使うのが怖くて、結局楽しめない
✅ 「本当にこれを買っていいのか?」と考えすぎて、決められない
✅ 節約しすぎて、逆にストレスがたまる
🔹 対策:「使っていいお金」を決める
- 「生活費・貯金・自由に使うお金」を明確に分ける
- 「使うための貯金」を作る(例:旅行用貯金・趣味用貯金)
- 「お金を使うこと=自己投資」と考える(将来のためになる使い方を意識)
「お金は使ったらなくなるもの」ではなく、「適切に使えば、未来の安心につながるもの」と考え方をシフトすると、罪悪感が減ります。
考え方はすぐにシフトできない
ただ、すぐに考え方を変えるのは簡単ではありません。
そんな人は、ぜひライフプランを作ってみて下さい。
いくらまで使っても大丈夫かを見える化します。
ただ実際に、ライフプランを作成させてもらった後でも
「こんなにうまく行くはずがない!」と仰れる方もいらっしゃいます。
しかし、数字を1つずつ確認するとミスがないことがわかり、正しさを認識されます。
数字は嘘をつきません。
考え方をシフトするのは難しくても、数字を根拠にお金に安心感を持たれる方は少なくありません。
ライフプランおすすめですよ!
まとめ:お金の不安を「見える化」と「ルール化」で減らそう!
ASDの人にとって、「お金の不安」はとても大きな問題ですが、「見える化」と「ルール化」をすることで、不安を減らすことができます。
✅ 「予測できる支出」を増やし、急な出費に備える
✅ 「お金の流れ」を可視化し、把握しやすくする
✅ 「使っていいお金」を知り、罪悪感を減らす
お金の不安を減らすには、「感覚ではなく仕組みで管理する」ことが大切です。
無理なくできるところから、少しずつ試してみましょう!✨