発達障害とお金の「安心感」:貯金が苦手でもできる工夫

「いくら貯金があれば安心できるのか?」――

この問いに明確な答えを出すのは、発達障害の人に限らず難しいかもしれません。
特に発達障害の人はそもそも貯金がうまくできなかったり、目の前のことに意識が向きすぎて長期的な資産形成を考える余裕がなかったりすることもあります。

しかしお金の安心感は、ただ「たくさん貯めること」だけで得られるものではありません。
今回は、発達障害の特性を考慮しながら、お金の不安を減らし、安心感を得るための方法を紹介します。


1. いくら貯めたらいいかを分析する

そもそも、毎月いくら貯めればいいのかを分析します。

そのために有効なツールがライフプランです。

ライフプランを作成すると、収入と支出が把握できます。
今後のライフイベントに必要なお金を見える化し、逆算して毎月必要なお金を分析しましょう。

なお、ライフプランの作成と貯める金額の算出は、コンサルティングプランにて承っているので、気になる方はご依頼ください!

2. 意志で貯めずに「仕組み化」する

金額が出たあとに「お金を貯めよう!」と決意しても、気がつけば使いすぎてしまう…。
そんな経験があるなら、意思の力に頼らない「仕組み化」を考えましょう。

・先取り貯金を自動化する
給料が入ったらすぐに一定額を別口座に移す設定にすると、「気づいたら使い込んでいた」という事態を防げます。発達障害の人にとって、「お金がある」と思うとつい使ってしまうことが多いため、「最初からなかったことにする」仕組みが有効です。

・用途別にお金を分ける
生活費、娯楽費、貯金などを「視覚的に分ける」ことで、何に使えるお金なのかを把握しやすくなります。
たとえば、封筒や銀行のサブ口座を活用すると、感覚的にお金を管理しやすくなります。
ただいたずらに口座を増やすと管理が難しくなるので、管理できる範囲でやりましょう。


3. 「貯金しなきゃ」というストレスを減らす

貯金ができないことに罪悪感を持つと、ストレスが増し、かえって衝動的な出費につながることがあります。
だからこそ無理に大きな金額を貯めようとせず、「できる範囲でOK」と考えるのも大切です。

・小さな成功を積み重ねる
「毎月5万円貯金!」と意気込むよりも、「最初は1,000円から始める」など、小さな金額から習慣化すると続きやすくなります。
貯金が成功すると「やればできる」という感覚が生まれ、モチベーションも高まりやすいです。
これから初めて貯金を始める方は、無理をしないように自信をつけていきましょう!

・「楽しい目的の貯金」も取り入れる
「貯金=我慢」と考えると続きません。「旅行のための貯金」「好きな趣味のための貯金」など、ポジティブな目的を持つと、貯めること自体が楽しくなります。


3. ADHDの「今すぐやりたい!」を活かす方法

ADHDの特性として、「今すぐやりたい!」という衝動性があります。この特性を活かして、お金の管理をポジティブに変えてみましょう。

・「すぐに結果が見える」貯金法を試す
普通の貯金だと成果が見えにくく、やる気が続かないことも。
そこで、アプリやノートを使って「今日いくら貯めたのか」を視覚化すると、モチベーションが維持しやすくなります。

ちなみに私はほぼ毎日クレカの利用状況と、貯金口座の残高と、証券会社の残高を確認しています。
「今いくら資産ある?」という質問に、即答できるようにしています。(証券は個別株も持っているので変動はしますが!)
楽しみと支出にも厳格になるので、一石二鳥です。

・「ワクワクするお金の目標」を作る
「老後のために貯金」よりも、「1年後に好きな場所へ旅行する!」のように、ワクワクする目標を立てると意欲が湧きます。
欲しいもののために頑張ることをモチベーションにします。


まとめ:お金の安心感を得るには?

ADHDの人にとって、お金の管理は悩みの種になりやすいですが、「無理に頑張る」よりも「仕組みを作る」ことで楽になります。

✅ ライフプランで貯める金額を逆算する
✅ 貯金は意思の力ではなく、自動化や視覚化で管理する
✅ 小さな成功を積み重ね、ストレスを減らす
✅ ADHDの「今すぐやりたい!」をポジティブに活用する

貯金の方法は人それぞれですが、大事なのは「安心感を持てるかどうか」。

自分に合った方法を見つけて、無理なくお金と付き合っていきましょう。