発達障害の人は「予算」より「枠」でお金を管理しよう!

お金の管理が苦手な発達障害の人にとって、「予算を決めて守る」ことは簡単ではありません。

✅ 「今月の食費は3万円」と決めても、途中でオーバーしてしまう
✅ 「趣味に使うお金を減らそう」と思っても、つい使いすぎてしまう
✅ 「貯金するつもりだったのに、気づいたら残っていない」

こうした問題が起こる背景には、発達障害の特性である「衝動性」や「計画の苦手さ」が影響しています。

では、どうすればうまくお金を管理できるのでしょうか?

コツは「予算を決める」のではなく「お金の枠を作る」こと。
発達障害の人でも無理なくお金を管理しやすくなります。

一般的な管理の方法は一旦忘れる

家賃は収入の何%?食費はいくら以内にすべき?交際費にいくらまでかけても大丈夫?
といった質問をよくいただきます。
「推し活にはいくら使っても大丈夫ですか?」という質問も多いですね。

マネー企画でよくある、専門家の「家賃は〇%以内が適正」「食費は4人なら○○円まで」という家計診断の影響だと思います。

一般的なお金の管理法では、「食費は3万円」「趣味費は1万円」といったように、項目ごとに金額を決めて管理する方法が推奨されます。
しかし、発達障害の人にとってはこの方法がうまくいかないことが多いのです。

なぜなら、

✅ 途中で状況が変わると、予算を守れなくなる
✅ 「少しぐらいならいいか」と思ってしまい、ズルズルとオーバーする
✅ 予算を超えると、「もういいや」となって使いすぎてしまう

こうした特性を考えると、「厳密な金額を決める」のではなく、「お金の使い方に枠を設ける」ほうが、無理なく管理しやすくなります。

推し活に全力でお金を使いたいのか、家が大好きだからいい家に住みたいのか、食べるのが好きで食費はしっかり確保したいのか。

人によって異なります。

私もそうですが、発達障害の中には、特定のものやルーティーンにこだわりが強い人も少なくありません。

また仮に「食費は収入の〇%まで」と決めても、実行が難しい人も多いでしょう。
これも一般的な適正金額や割合を参考にしない方がいいとお伝えしている理由の1つです。

発達障害の人はどの項目にいくら使ったかを継続して記録できない人も少なくありません。家計簿は3日続けるのも大変だったという話も聞いたことがあります。最近はアプリやパソコンソフトなどを使って管理するかもしれませんが、継続となるとやっぱり難易度が上がります。

家計簿をつけていないと、たとえ「食費は収入の〇%」と決めても、意味がないのです。

枠を作ってざっくり管理

では、どのように管理するのが良いでしょうか。

家計全体の出費をいくらにするかを決めて、その枠のざっくり配分するやり方をオススメしています。
「1か月のすべての出費は〇〇万円以内に収めよう」という具合です。

食費に◯万円、交際費に◯万円などと、支出ごとの出費額を決めるよりも、お金と柔軟に付き合います。

例えば、貯金を抜いて1か月に使えるお金が25万円だったとしたら、

✅ 家賃に4万円
✅ スマホ代に1万円
✅ 突発的な出費用に2万円

と必ず出ていくお金を引いたら、残りの18万円の範囲内で自分の価値があると思うものに振り分けていきます。

ここで重要なことは、この18万円は必ず守ることです。
もし一人でこの18万円を守れないようであれば、家族や友人、支援者にサポートを依頼するようにしましょう。

ただ、使えるお金の範囲内であればどんな振り分けをしても構いません。

どうでしょう?

自分は何にお金を使おうかとワクワクしてきませんか?

ぜひ楽しんで振り分けてみてください!

「お金を見直す日」を決める

「計画を立てるのが苦手」という特性を考えると、「完璧に管理しよう」と思わず、「定期的に振り返る日を作る」ことが大切です。

月に1回、お金の振り返りをする
→ 「いくら使ったか?」「どこでオーバーしたか?」を確認する
月1の振り返りで使いすぎてしまう人は、週1の振り返りをおススメしています。
ちなみに私は、2日に1回はカードの利用料金を確認しています。
それほど意識しないとつい使ってしまうからです。

「使いすぎた原因」を考える
→ 予算オーバーした場合は、「どうすれば防げたか?」を振り返る
一人でやるよりも、誰かと一緒にやってフィードバックを受けた方が効果的です。
FP業務として、毎週面談させてもらっている方もいます。(こちらは別途料金をいただいています)

次の月の枠を見直す
→ 例えば、「食費の枠を増やして、趣味費を減らす」など、状況に応じて調整する
振り返った後は、しっかり次に実践。
すぐには改善しませんが、少しづつでも良くなっていきます。

この「振り返り」を習慣にすることで、少しずつお金の使い方が安定していきます。

まとめ

発達障害の人にとって、お金を管理するのは難しいことですが、「予算を決める」のではなく、「お金の枠を作る」ことで、無理なく管理しやすくなります。

1か月に使っていい枠の中ならどう使っても自由
主体的に何にお金を振り分けるか決める
定期的に振り返り、枠を調整する

この方法を取り入れることで、「お金の管理が苦手…」というストレスを減らし、自分に合ったやり方でお金を使えるようになっていきます。

完璧を目指さず、「少しずつ工夫する」ことが大切です。ぜひ、自分に合った方法を試してみてください!