発達障害があったら保険に入れない?発達障害専門FPが解説

発達障害だと保険に入れないかというと、そんなことはありません。

ネットでは発達障害は保険料が高くなると言われることもありますが、実際はそうとは限りません。

発達障害の当事者であり、発達障害専門のFPとして、正しい情報をお届けします。

今回は、ネットで見る情報が本当かそれとも間違いか、言葉足らずなのかの部分を含めて書いていきます。

発達障害の診断を受けるとどんな保険にも入れなくなる

これは間違いです。

発達障害の診断を受けても保険に加入することができるケースはたくさんあります。

むしろ、ほとんどのケースで加入できることの方が多いです。
※直近で入院をしていたり別の病気等の診断があると難しくなることもあります。
また、ご年齢によっては保険の選択肢が変わります。

症状によっては、『引受基準緩和型』と言う普通の保険よりも金額が高くなることもありますが、全く加入出来ない訳ではありません。

保険種類や診断名、診断時期によっては、普通の金額の死亡保障や医療保険に加入することもできます。
この情報はあまり出回っていないので、もっと広まって欲しいと考えております。

ただ、通院したり診断を受けたりする前と後での選択肢の多さが変わるのは事実です。
もし診断を迷っている方がいらっしゃいましたら、事前に保険に加入してから診断を受けられることをおススメします。

とはいえ、既に診断を受けているからと言って諦めることはありません。

色々と探してみてください!

うつなどの精神疾患は寛解してから5年経たないと保険に入れない

これも間違いです。

治療中、通院中でも加入できる保険はあります。

中には通院していても、引受基準緩和型ではなく普通の保険料の死亡保障や医療保険に加入できるケースもあります。

過去に、精神疾患を患っていた方で普通に加入出来た方も何人もいます。

うつの寛解から5年まで待つ必要なく保険に加入することはできますので、諦めないで欲しいと思います。

ADHDの治療を続けていると緩和型の保険に『しか』入れない

これも間違いです。

引受基準緩和型でない保険に加入できるケースもあります。

実際に、収入保障保険(死亡保障)や医療保険で一般の方と同じ保険料で加入されている方もいらっしゃいます。

引受基準緩和型の保険になる可能性が高かったり、選択肢としては狭まりますが、引受基準緩和型にしか加入できないとは限りませんので、色々探してみてください。

このあたりの情報も出回っていないことが多いので、正しい知識を手に入れて頂きたい部分です。

ASDの治療を続けていると緩和型の保険に『しか』入れない

誤りです。

ADHDと同様に緩和型でない保険に加入できることがあります。

ただ、ADHDにくらべるとASDで通院中の方は保険の選択肢が狭まりがちです。

しっかりと探していくことが大切です。

軽度の知的障害でも保険に入れない

程度によります

例えば、

①約款の内容が理解できること
②就業していること
③単独での交通機関の利用や買い物が出来ること
④契約者と被保険者が同一であること

などの条件が問題なければ、一般の保険にかなり近い条件で加入できる可能性があります。

また、発達障害専門の保険会社『ぜんち共済』という選択肢もあります。

重度の知的障害だと保険に入れない

重度の知的障害の場合は、かなり厳しくなります。

ただ、死亡保障は後見人がいて、諸条件をクリアすると加入することもできます。

ガン保険や三大疾病保険の保険には入れる

これは本当です。

ただ三大疾病保険は、保険会社によっては引受基準緩和型のタイプになることもあるので、健康な方と同じ保険料で加入できる会社を探すことが大切です。

もし引受基準緩和型の医療保険への加入を合わせて検討している場合に、医療保険の特約に三大疾病特約を付けてしまうと、三大疾病保険も引受基準緩和型の金額になってしまいます。

しかし、三大疾病保険だけ別の会社に分ける、ということをすると、三大疾病部分は健康な方と同じ保険料で加入できることがあり、トータルの金額を下げることも出来ますので、工夫が必要になります。

発達障害は告知しなくてもいい

絶対にダメです。

あるお客様がドクターにこんなことを言われました。

「発達障害を告知しなかったからって保険が出なかった人に会ったことないから、言わなくていいよ」

絶対にダメです。

告知義務違反となり、保険が解除される可能性があります。

必ず告知した上で加入できるものを探しましょう。

統合失調症や双極性障害は加入が難しいと言われた

誤りです。

過去にお客様で、統合失調症や双極性障害でも保険にご加入された方はいらっしゃいます。

ただ、健康な方と同じ保険料では難しいのが現状です。

無告知型や緩和型、健康な方と同じ保険料ですが予め加入しやすくなっている保険を死亡保障や医療保険でご案内させてもらっています。

選択肢がない訳ではないので、探してみてください。

伝えたいこと

伝えたいことは、

発達障害だからといって保険に全く入れない訳ではないこと

必ず引受基準緩和型になって保険料が上がるとは限らないこと

です。※直近で入院や手術をしていたり、別の重い病気がある場合は別です。

ケースバイではあるのですが、諦めないで欲しいので今回は書かせて頂きました。

中には、「引受基準緩和型は保険に入れるとは言わない」という方もいるかもしれません。
しかし、引受基準緩和型であっても加入できることに希望を抱かれる方がいるのも事実です。

私はそういった方々の力になりたい。

そういった趣旨で、今回は『発達障害と保険』について詳しく記事を書かせて頂きました。

ご相談もお待ちしております。